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BLOGブログ

思いを馳せる

2019年6月17日
大園

前回引き続き前川國男の作品をご紹介します。

今回の作品は前川國男が手がけた建築の中でも、最後の作品となった建築です。

場所は処女作として紹介した場所と同じく、青森県の弘前市に位置し、火葬場として利用されている建物になります。

78歳の頃に設計した作品とのこで、生涯を通して設計と向き合い続けたことに感銘を受けます。

 

「弘前市斎場」

弘前市には禅寺が30程立ち並ぶ禅林街という場所があり、その街道を抜けて坂道を下ったところに斎場があります。

坂道の傾斜はゆるく、ゆったりとした目線の流れの中で視界が開けたと同時に「岩木山」が視界に入り(青森県の最高峰の山)、

さらに進むと杉山の木々が見えてきて、その杉山の景色と溶け込むように斎場が佇んでいます。

 

深い屋根がかかった正面玄関が見えてきて、そこの軒裏を見上げると圧倒的なコンクリート格子梁が現れ、

建物に入る前に今一度気持ちを整えてくれるかのような空間でした。

 

格子間に仕込まれた照明の灯が、コンクリート梁の陰影を深めています。

何時間でも天井を眺めていられるような心地良さもありました。

 

 

内部は焼き場と待合室を、渡り廊下が繋ぐようなかたちで構成されています。

焼き場のホールも重厚なコンクリートの壁で仕上げられていて、天井の勾配、壁の角度、それぞれの仕上げとの取り合い、

どこをとっても丁寧に設計されている様が感じ取れました。

 

建物へのアプローチから使用されているの各所の素材、内部の視線と動線計画

効率や機能性だけでなく、ここを訪れる人々の心境に寄り添った建物であることを体感することができました。

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