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受け継がれる文化
2012年2月3日どんな家を建てたいか。
お客さまと打ち合わせをさせていただく際には家というものに持つ漠然としたイメージや、これだけは外せないとい
う具体的な要望まで一緒に家づくりをしていく上ででき得る限りのイメージ共有を大切にします。
お客さまが持っておられる家に対するイメージはそれぞれの育ってきた環境や好みがあり十人十色。
ですが、具体的な要望に関しては耳にする機会の多い共通のワードがあります。
例えば、
「生活スタイルや居住する人の数の変化に対応できるフレキシブルな間取り」
…多くの人にとって生涯住む事になるであろう空間ですので考えておくべきことです
「家のどこかに1ヶ所、小さくてもよいから畳で横になれるスペースが欲しい」
…どんなに洋風の家が多くなっても日本で育った人には落ち着く場所である事を再確認させられます
「階段はリビングに付随させたい」
…これはこれから子育てをされる予定の方に多い要望で、家族の外出や帰宅を感じやすいようにというお気持ちのあらわれです
「明るく風の通る家にしてほしい」
…心身共に健康で快適な生活を送り、居心地のよい我が家を考える上で安全性とともに最も重要であり、基本的なことでもあるので当然の要望です
…etc…
他にも挙げれば多くある共通のワードですが、京都という町で家を建てる方とお話しさせていただく機会が増え耳にする機会が増えたワードがあります。
『坪庭をつくりたい』
「明るく風の通る家」にも関連していますが、元来、坪庭とは町屋造りにおける主屋と離れのとの間にある庭園を指す言葉で、
辞書には…
建物と建物との間や、敷地の一部にあり、塀や垣根で囲まれた、あまり大きくない庭の事。中庭的なもの。建物の内部に、光や風を採り入れるために作られる。
と書かれています。
日本の床座の文化に合った畳の空間と同様に、鰻の寝床と呼ばれる町の坪庭という狭小敷地に対する建築の知恵が受け継がれている事になんだかホッとさせられます。
行政レベルで進められている景観条例等の京都の文化を守っていくハード面での運動ももちろん大事ですが、
家を建てられる方一人ひとりの中で守られていくソフト面での文化もとても素敵なものです。