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根継ぎ
2017年11月27日先日宮島を訪問してきました
お参りには毎年行くのですがそれとは別に建物探訪のテーマを決めています
今回のテーマは 「根継ぎ」 です、少し紹介したいと思います
根継ぎとは簡単に言うと、柱の下部が腐食したりしたときに
柱全体を交換せずにその腐食した部分だけを新しい材に交換すること
なんとも日本的な考えでエコな工法です
こんな感じです
上部が既存の柱、下部が新しく交換された材
京町家でも用いられる定番の継手です
厳島神社の根継ぎの方法は技術的にも完成形に近く
潮の干潮をねらってスピーディーに交換できる分かりやすい形状です
ちなみに建物を支える根の部分は上部の荷重によっても使い分けされています
上部に建物がある場合は太い木製の柱、回廊などは木製の細い柱
舞台や床だけの上部建物がない場合は石の柱
おそらく浮力とデザイン性、メンテナンスを最大限に考えた結果の答えで
先人の奥の深い美意識が感じられます
ちなみに足元はただ置いてあるだけ
究極の免震構造です
根の構造の仕様が建物によって違いますが
建物の荷重を支える土台の部分もさまざまです
丸太であったり角材であったりと
共通するのは技術的にはもちろん
その造形美が完成されている
その一言につきると思います
長い年月を重ねると見事になじんできます
ちなみにシンボルの大鳥居も根継ぎがしてあります
「根継ぎ」 の紹介でした
美しい物を大切に保存しながら後世に残していく
日本人が持つ美に対しての神髄をわかりやすく形にした
神社建築の一例です