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制限の中で
2019年2月23日まだまだ朝夕肌寒いのですが、立春の時期も終わり微かに少しずつ季節が移ろい始めました。
先日出会った春の訪れ。
春になると桜が注目されますが、今の時期は各所で梅が見ごろです。
さて。少し前になりますが遠出をしたとき機会があり訪れた美術館を紹介します。
渋谷区立松濤美術館。
建築家・白井晟一による設計。閑静な住宅街の中にあります。
重厚感あふれる石張りの外壁は
中央の玄関へ向かうにつれて内側にカーブを描いており
上の屋根も外壁と同様にカーブしています。
建物中央部の吹き抜け。
残念ながら通路に出ることができなかったのでガラス越しです。
中心が吹き抜けになっている構造で
途中ブリッジがかけられ
中庭には噴水が設置されていました。
入口ホールには庭を覗くような窓があり居心地が良かったです。
当時の建物計画書によると
150坪の建築面積に建物の高さは地上から10mまでと定められていたそうです。
ホールや図書室など、展示室以外のスペースを確保するため
地上部分を2階、地下に2階分を造ることにより区の要望を叶えました。
美術館の周囲が完成な住宅街であることも考慮され
窓は最小限に、建物の中央を吹き抜けにし採光を取る形にしたのだそう。
部屋と部屋を行き来する際には思わず吹き抜けを見上げていました。
住宅地の中に建つという制約のもと作られた美術館だからか
一風変わった印象がありました。
いくつもある制限の中で、要望を聞きこたえを模索する。
なんとなく素敵だなと思っていたものに意味を見いだせる、理由に気付くことができる。
日々の勉強が楽しくなる瞬間です。
また訪れたい美術館です。
ちなみに、ソファーや鏡も建物と一緒にコーディネートされたものなのだとか。
座り心地がとてもよかったです。