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耐風性能

2019年4月5日
名和

お客様からよく耐震性能や断熱性能、気密性能についてお話を頂く機会が有りますが、

耐風性能についてお話しいただくことは滅多にございません。

 

 

2018年の6月、7月に掛けて台風21号・24号が日本列島を襲い、

カーポートやアンテナはねじ曲がり、住宅の屋根材や外壁は吹き飛ばされ、

近隣の外壁に突き刺さっている画像がニュースやSNSなどでも見受けられました。

 

建築業界の職人不足や材料調達が出来ず、

被害にあった住宅は未だにブルーシートが掛かっている住宅もあるのが現状です。

 

 

では、なぜこう言った事態に陥ってしまったのでしょうか?

 

日本の法律で示されている「台風等級」と言うのは、

等級1・2の2段階しかなく、最高の等級2であっても最大風速46m/秒の風に耐えられる構造であると言う基準でしかありません。

先の台風では、最大風速50m/秒以上を記録した地域が広範囲にあり、

最大瞬間風速では80m/秒を記録した地域もあるそうです。

 

ただ、そんな状況下でも、原因は他にもあり、

吹き飛んだ屋根や壁の下地を見ると明らかです。

 

 

 

 

 

写真の内容では、いくら屋根を固定する為に釘やビスを打ち付けたとしても、

その屋根自体がスカスカで、腐食してしまっていると何の意味もありません。

 

腐食の原因は前途のように、断熱や気密性の省エネ性能等が注視される世の中で、

そう言ったところだけに目を向け、商品を打ち出しし、

お施主様に対して、メリットのみしかお伝えせず、性能数値だけ確保するような提案しか出来ないと、

気密性を上げることが正義になり、湿気の持って行き方、逃がし方、

換気の必要性等を提案できないと、

写真のように屋根の内側、壁の中で結露が発生しそこから腐食が進んでしまいます。

 

 

 

こういった結露に対する対策は、

建築基準法でも具体的な義務付けされていないことが大きく影響しており、

意識が低い設計士は、現場の業者任せになってしまっており、

工務店自体も実態を把握できていないケースが多いと言われております。

 

 

2018年の台風で、今後具体的な対策や法律が出来るかもしれませんが、

解決策が単純化されるのは怖いと思います。

 

地震に対しての対策を考えた時に世の中が「瓦の屋根は重たいから危険だ」と単純かつ一辺倒な論調があり、

今回も「瓦の屋根は重たいから瓦の屋根にしよう」や「軒を出すと屋根が飛ぶから軒を出さない方が良い」

「木造よりRCの方が耐風性が高い」とそのメリット・デメリットをお施主様にご説明することなく、

根拠のない設計によって対策されていくことが一番問題です。

 

 

昔から、九州や沖縄では、最大瞬間風速70m/秒の台風が上陸することも良くありましたが、

昨年の関西地区のような屋根が吹き飛ばされるような深刻な被害が多く報告されることは無かったと記憶しておりますが、

法律的には同じ日本の枠にあり、設計士としても同じ資格なので、大きな違いはないと思います。

 

 

唯一違うとすれば、技量の有る職人が残っていたからではないでしょうか?

 

 

職人の経験と知識に置いて性能が担保され、

何気なく法律として決まりごとが無くても、

慣習として守られてきた取り組みが有ったのだと思います。

 

しかし、そう言った職人たちも年を取り、

大量に退職しつつあり、若い職人希望者も少ない為、

外国人等の実習生が増加し、技術や施工ノウハウがきちんと引き継がれていない厳しい現実があります。

 

工務店はその場所の気候風土に即した技術や知見は非常に優れているものの、

突然起こりうる「予期せぬこと(自然災害など)」への対策する事は難しく、

ハウスメーカーは逆に、その場所、その土地の気候風土に即した技術、知見などは見受けられることが有りません。

 

今後、日本の世の中では、工務店の良さとハウスメーカーの信頼性を併せ持ち、

職人を育てられるような会社が長く住み心地の良い家を提供出来るとものと考えます。