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BLOGブログ

デザイン論

2019年10月21日
石田

一般に『デザイン』と聞いて思い浮かぶことは何でしょうか。

形状に依存した表現、つまりカッコいいカタチのことでしょうか。

 

私も建築やデザインを本格的に学ぶ前まではデザインを上記のようなものと認識していましたが、すぐにデザインが単にかっこいいカタチやそれを形作る言葉ではなく、もっと広く概念的に使われていることがわかりました。

 

デザインとは何か。

これは一流のデザイナーでも建築家でも答えを出すのが非常に難しい問いですが、

誤解を恐れずに述べるなら、デザインの根本的役割は問題解決です。

 

アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは自身の書籍で

『デザインとは単にどう見えるか、どう感じるかというものではない。どう機能するかだ。』

と述べています。

デザインの本質をうまく捉えた言葉で私も住宅設計の中で特に意識する事柄です。

もう少し難しくいうと、問題提起やそのアプローチに対する思考の密度が一つの形作られたものとして現れてくる。このような一連のプロセスまでを含めてデザインと呼ぶのです。

その点から考えると役割のない装飾や機能のない形態はデザイン的ではないと言えるかもしれません。

 

ZENのデザインは『デザイン的であること』を特に意識してあります。

例えばZENの打ち合わせスペースのお手洗いにあるペーパータオルBOXです。

ZENでデザインして家禅の大工が制作しました。

 

 

少し不思議な形をしています。

横から見た写真です。

 

 

 

二枚の写真の違いお分かりでしょうか。

ZENに何度かお打ち合わせで来られたことのある方はお気付きかもしれませんが、

2枚の写真は製品が2つあるのではなくて1つのBOXが変化する様にデザインされています。

 

内部構造を示した図面です。

 

 

側面に勾配のついた箱が3枚重なっているような構成になっています。

この中にペーパータオルを入れます。

最初はペーパータオルが満タンなので3枚の側面が見えますが、中身が少なくなってくると箱が重なってきて一枚の側面しか見えなくなるように変化します。

これによってスタッフは外側を見ただけでペーパータオルの中身が十分かを把握できます。

もし2枚目の写真のように側面が一枚しか見えていない時は補充するサインとなります。

また上に持ち上げた時に箱がバラバラにならないように下の箱が上の箱に引っかかるように勾配をつけてあります。

そしてこの変化するペーパータオルBOXには一切金物を使っていません。

 

建築においても同様に考えていますが、出来るだけ単純な構成で機能を充足させることが美しいデザインの基本です。

形が先に存在しているのではなく、必要な機能を検討しそれを最小限の構成で対処した結果現れてくるのがこの一見変わった形です。

 

このようなプロダクトデザインでは比較的簡単な解説ですが、住宅の場合はもっと複雑に絡む合う課題をさらに緻密なデザイン的思考を用いて設計をします。

 

是非ZENのデザインを見学会などで体感してみてください。

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