
ブログ 木質繊維断熱材
一級建築士ブログ
木質繊維断熱材
断熱材にはたくさんの種類があります。
その中でも、まだ普及率の低い木質繊維断熱材という断熱材を、現在進行中のリフォーム案件で使用することになりました。今回はまだあまり知られていない木質繊維断熱材についてご紹介したいと思います。
木質繊維断熱材とは?
木質繊維断熱材は、建材として使いにくい端材や間伐木材などを細かくほぐし繊維状にし、他の繊維系断熱材と同じように空気を多く含む構造にしたものです。日本でも近年自然素材の断熱材は人にも環境にも優しいとして注目されてきています。
しかし、まだ流通量が少ないため、他の断熱材に比べて価格は少し割高ではあります。
特徴
住まいの快適性、健康、環境への配慮を同時に満たしたいと思われている方にとって、木質繊維断熱材は非常に相性の良い素材です。以下では、その具体的な特徴について詳しく解説していきます。
断熱性能と蓄熱性能
断熱材としての基本性能は他の繊維系断熱材と同じで、繊維の間に多くの空気を含むことで外気温の影響を受けにくくし、室内の温度を安定させます。これにより、夏は外の熱気を遮断し、冬は暖房で温めた空気を逃がしにくくしてくれます。
そして注目すべきは、木質繊維が持つ蓄熱性です。木質繊維断熱材は密度が高くて熱をゆっくりと吸収し、ゆっくりと放出する性質があります。そのため、昼間の熱をため込み、夜間にゆっくりと放出することで、急激な温度変化を抑える働きがあります。特に夏場の屋根断熱では、日中の強い日射による温度上昇を緩和し、夜間の室温上昇を抑える効果が期待できます。
冬場も同様に、暖房で温めた熱を蓄え、室温の低下を緩やかにするため、快適性が向上し、エネルギー消費の削減にもつながります。
吸音性と防音性
木質繊維断熱材は繊維が複雑に絡み合った構造になっており、空気の振動を効果的に内部で拡散吸音してくれます。そのため、外部からの騒音を軽減したり、室内の生活音を外に漏れにくしてくれます。
また、木質繊維系断熱材は密度が高いので高音域から低音域まで効果的に遮音性を発揮してくれます。
自然素材の良さ
木質繊維断熱材は、自然素材ならではの安心感と環境負荷の低さが魅力です。原料となる木材は再生可能資源で、製造過程でも比較的エネルギー消費が少ないため、環境に優しい断熱材として注目されています。廃棄時にも環境負荷が少なく、リサイクルや再利用がしやすいというメリットもあります。
また、化学物質の使用が少ないため、シックハウス症候群のリスクを抑え、住む人の健康に配慮した住まいづくりが可能です。
安全性
木は燃えやすいのではないかと心配されるかと思いますが、木質繊維には難燃処理が施されており、火災時にも燃えにくく有害ガスを発生しにくいという特徴を持っています。
メーカーの実験でも高い防火性能が実証されています。
まとめ
木質繊維断熱材は、様々な優れた性能を持つバランスの良い断熱材であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。住まいの快適性を高めるだけでなく、健康、環境への配慮といった現代の住宅に求められる価値を備えてくれています。自然素材の温かみを感じながら、機能性の高い住まいを実現したい方にとっては、木質繊維断熱材は非常に魅力的な選択肢だと言えます。