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狭小地とは一言でいうと小さな敷地です。単に敷地面積が小さいというだけではなく様々な意味が含まれます。間口が狭い、求めている建物に対して敷地が狭い、法規制によって小さな家しか建たないなども狭小地といえるかもしれません。いずれの場合も狭小地の住宅にとって大事なことは「限られた空間の中で、快適な住環境をどのように生み出すか。」ということです。そのためにはまず使い勝手の面で、固定観念にとらわれず本来の機能的な部分を抽出しデザインに落とし込めるか。要素の中で兼用して有効活用できるものはないか。極限までシェイプアップしつつ必要なものは落とさない。その上で将来的に無理のない施工を行えるか。このような姿勢が必要です。また明るさなどの快適性の面にも工夫が必要です。間口の狭い3階建ての家では採光が限られるので建物中央部が暗くなります。明るく快適な内部空間とするために天窓や吹抜けなどの手法を使い、光の通り道を作ることがあります。このようにして外部の光を取り入れることは単に電気代の節約効果があるだけではありません。昼なのか夜なのか、サンサンと晴れ渡った空なのかどんよりした曇り空なのか。家の中から外の状況が感覚的にわかることで心理的な空間の広がりを感じることが出来るのです。普通の敷地の家では単に窓をつくるだけの間取りで良くても、狭小地の場合はそうはいかず使い勝手の面と快適性の面は互いに干渉することがあります。それに対してどのように折り合いをつけて1つのプラン・間取りにしていくのか。そこには絶対的な正解はありません。注文住宅の本領である住み手のライフスタイルに合わせたオーダーメイドの住まいづくりが必要になるのです。