
ブログ 住宅の照明
一級建築士ブログ
照明と色温度
照明は単に空間を明るくするだけではなく、生活の質や空間の印象に大きく影響を与えます。
今回は照明を考える際に印象に大きく影響する部分である「色温度」についてお伝えしたいと思います。
色温度とは
リビングで過ごす家族団らんやキッチンでの調理、寝室でのくつろぎなど、生活のシーンに応じた照明計画は快適な暮らしにとって不可欠です。照明計画では、デザイン性に加えて「光の質」色温度も考える必要があります。
色温度とは、光の色合いを示す指標で、ケルビン(K)という単位で表されます。低い色温度は赤みを帯びた温かみのある光で、高い色温度は青白く冷たい印象を持つ光です。
・2700K~3000K:電球色— 温かみのある落ち着いた雰囲気。
・3500K〜4000K:温白色 — やや暖かみのある自然な光。
・5000K~6500K:昼白色〜昼光色— 明るく清潔感があり、集中力を高める。
色温度は、部屋の機能や過ごす時間帯、住む人の好みによって変わります。例えば、朝は高い色温度の光で活動的に、夜は低い色温度の光でリラックスするなど、使い分けることで生活リズムを整える効果もあります。
色温度の選び方
照明器具を選ぶ際には、デザインや価格だけでなく、色温度や明るさ、光の広がり方なども重要なポイントになります。
色温度の選び方
・くつろぎたい空間には低い色温度、作業空間には高い色温度。
・調光・調色機能付き照明を活用すると、1台で複数のシーンに対応可能。
・同じ空間では色温度をバラバラにせずにまとめる。
部屋別のおすすめ
リビング:電球色(2700K~3000K)
暖かみのある柔らかい光が家族団らんやくつろぎの時間に適しています。間接照明やスタンドライトと組み合わせると、柔らかい光で視覚的にも心地よくなります。
キッチン :温白色(3500K〜4000K)
食材の色が見やすくなり、手元が明るく見える事で作業効率が上がります。
洗面所 :温白色〜昼白色(4000K〜5000K)
肌の色が自然に見えます。
寝室 :電球色(2700K~3000K)
落ち着きのある柔らかい光が適しています。就寝前に過度に明るい照明を使用すると、睡眠の質に影響を与えるため、明るさを抑えた照明を選ぶことが大切です。明るさを調整できる調光タイプの照明器具を使うとより効果的です。
書斎・勉強部屋:昼白色〜昼光色(5000K〜6500K)
集中力を高める高い色温度照明が効果的です。デスクライトとの併用がおすすめです。

まとめ
照明器具選びでは、機能性と美しさはもちろんのこと、ただの「明るさ」ではない「光の質」にも目を向けてみてはいかがでしょうか。自分のライフスタイルに合わせた照明器具選びが、日々の暮らしをより豊かにしてくれるはずです。
