
祇園祭2025
ZEN大工職人のブログ
今年も祇園祭
前祭、後祭山鉾巡行が終わりました。
毎年、後祭りでは北観音山の作事方、車方、音頭方、を担っております。
組み立ては縄がらみという伝統的な技法を用います。
揺れや衝撃を吸収する事で強度を持たせる技法です。
北観音山の作業を進めていると、一報が入る。
ご存知の方は居られるかもしれませんが、
196年ぶり令和4年に巡行に復活した『鷹山』さんが今年の松建て作業中に真木(しんぎ)が折れるというトラブルがありましたが、幸い怪我人ありませんでした。
『鷹山』復活の数年前、縄がらみの伝統工法を職人達へ指導に行っていた縁もあり、
急遽、屋根の組み立ての作業の指導の要請があり、行ってまいりました。
まだ経験の少なさから起きてしまった事故。
私ができる範囲での、改善のアドバイス、対応を説明。
次に繋げてくれればいいですね。。
もちろん私達、
北観音山も気を引き締めなければなりません。
トラブルは仕方がない。
その後、どう動くかっていうのも、
とても大切と改めて思います。


今年、鉾組み立てる際に使用する
木槌と鎌をハウスゼンより寄付させていただきました。
これから年一回ではありますが、
たくさんの年月をたくさんの職人が
この木槌を使って鉾組み立てすると思うと、
感慨深いです。


組み立ても無事終わり、
宵山を迎え、巡行、解体といつも通り終わっていきました。 解体で部材をバラした際に、一度並べます。
長く材料を使うにはメンテナンスも必要です。
ホゾに取り付けられてる鉄の補強の釘が緩くなってる箇所が毎年、多数出て来ます。
釘を一度抜いて、爪楊枝を刺し、もう一度同じ釘を打ちます。
爪楊枝が隙間に埋まり、釘が再び効くようになるのです。
大工さんの知恵です。
いろいろ課題も見つかり、
あと、350日後、の祇園祭後祭りに向けての
準備が始まります。





