
すぎの木
一級建築士ブログ
杉の表情
ZENでは木の家、木の温もりを感じていただける住まいを多く建てています。
構造材、床材、化粧天井、棚など様々な場所で適材適所に木を使用。
樹種も住み手と相談しながら針葉樹・広葉樹、国産材・外材、様々なテイストに合うものを選定して設計しています。
今回はそんな色んな樹種のうちの中の1つ 杉材 の施工例を紹介します。
杉材というと、
柔らかく温かみがあり、素足で歩いたり床でゴロゴロするととても気持ちの良い材量で足腰への負担も小さい樹種。
また一口に杉と言っても、色味や年輪幅などは産地に依る違いがあり、
赤身(芯材:丸太の中心部分)・白太(丸太の周辺部分)のコントラストも奇麗な樹種。
近畿圏では、年輪の均一さや独特の赤みがかった色合いが特徴の奈良県の吉野杉は有名で、社寺建築にも使用されています。
化粧野地板と床に使用した例

厚み3㎝、巾20㎝幅広の杉板を屋根の野地板と床材に使用。
自然オイルで落ち着きある色味に仕上げています。
柔らかな表情と節が少な目の板は光を鈍く反射して柔らかさと懐かしさを感じさせてくれています。


こちらも先の例と同じ杉板を屋根の化粧野地板と室内の床に採用。
先ほどとは違い少し明るめの自然オイルで和モダンな印象の空間に。

化粧天井

杉の羽目板を吹抜け上部の勾配天井に施工した例。
流れ方向に張った板目が空間のアクセントになっています。
杉にはフィトンチッドという成分が含まれています。
殺菌作用や森林浴とおなじ癒し安らぎ効果もある為、リビング空間にはメリットの多い選択肢です。

節有の杉でナチュラルテイストな例

より自然に近い節のある杉を選択し、ナチュラルで優しい印象の空間の事例。
完成時は明るく節とそうでない部分のメリハリが強い印象ですが、経年変化でだんだん飴色に変化していくとその差が程よく馴染んでいくのが特徴。
竣工した時が完成ではなく住み手と一緒に変化していくのを愉しめるという点は愛着の湧きやすい選択肢とも言えます。

傷つきやすいと捉えるか、想い出が増えたと捉えるか
柔らかさをメリットと感じるかデメリットとして感じるかは人それぞれ。
さまざまなテイストの住まいをご提案しているのでどれが一番かと聞かれると1つ選ぶのは難しいですが個人的には好きな樹種の1つであることは間違いありません。
足腰に負担が少ないという意味では犬や猫と暮らすお家にも人気だったりもします。
ゼンでの家づくりでは、愛着を持って住み続けていただく為に
打ち合わせで色んなサンプルを見ながら自分に合うお気に入りの樹種を一緒に選定していきます。
木の温もりを感じられる家 杉材も選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。
家づくりへの想い
住み手と描く丁寧で優しい暮らし
良いものづくりは誰かを想う気持ちから生まれる
贅沢でなくていい
心地よい肌着のような住宅を
HOUSE ZEN
