
ブログ 住まいの温熱環境と健康
一級建築士ブログ
夏にも起こるヒートショック
「ヒートショック」という言葉を聞くと、冬場の寒い脱衣室や浴室などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし近年では、猛暑が続いた影響もあり、夏でもヒートショックが起こることが大きく報じられるようになっています。
今回は夏でも起こるヒートショック「夏型ヒートショック」の原因と対策についてご紹介したいと思います。
夏型ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担がかかる現象をいいます。冬の場合と同じように、夏でも急激な温度変化に身体が対応しきれない状態で起こります。
例えば
冷えた部屋から、暑いトイレや浴室、猛暑の屋外へ出た時におこる血圧の低下。
暑いトイレや浴室、猛暑の屋外から、エアコンが効いた冷たい部屋に入った時におこる血圧の上昇。
おおよそ10℃以上の温度差、このような状況で起こるといわれています。
家づくりでできること
家づくりというと、間取りやデザインに目が向きがちです。それらももちろん大切な要素なのですが、健康を守る要素も同じように重要だと思います。
家づくりの際、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
断熱・気密性能
ご存じの方も多い断熱・気密性能。これを高めるというと、冬のためではないかと思われるかもしれませんが、夏にも効果があります。冬のヒートショック対策と同じで、部屋ごとの温度差を小さくすることによりヒートショックのリスクを軽減することができます。
日射遮蔽
日射遮蔽とは太陽光が室内に差し込むのを防ぐことで、夏の室温上昇を抑えて冷房負荷を軽減することをいいます。
部屋ごとの温度差をおさえる効果があります。
日射遮蔽の方法
・窓の設計
季節ごとの太陽高度や方位によって窓の大きさ高さを設計
日射を夏はあまり取込み過ぎず、冬はできるだけ取込めるようバランスをとることが重要です。
・庇や日よけ
窓の設計だけではどうしても不十分になってしまいますので、庇や日よけとあわせて考えることが大切です。
例えば
南面の窓は冬場に比べて夏場は高い位置からの強い日差しになるため、庇やオーニングによって日射遮蔽することが効果的です。
西面の窓は夏場の強い西日を受けます。その熱量は約600W/㎡。電気ストーブ1台分程度もあります。この強力な日差し対策として外付けブラインドが効果的です。室内付けよりも、外側で日差しを遮るほうが、より効果的です。
まとめ
猛暑が続く日本で、「夏型ヒートショック」という新たな健康リスクが起こっています。
このリスクを軽減させるには、エアコンをただ強く効かせるだけの対策では不十分であり、断熱気密・窓・日射などをバランスよく考えることが大切です。
家づくりをお考えの際は、一年を通して快適な温熱環境で健康に暮らせる住まいという点にも目を向けられてはいかがでしょうか。