
ブログ 無垢材の床
一級建築士ブログ
住宅の床の仕上げ材として様々な素材がありますが、フローリング・カーペット・塩ビタイル・クッションフロアなどはよく使用される素材なので、ご存じの方も多いと思います。
リビングの床などにはフローリングを使用することが多いのですが、フローリングには大きく分けて、無垢フローリングと複合フローリングがあります。
■無垢フローリング
1枚の木から加工されたフローリング
■複合フローリング
合板の上に薄くスライスした木材や、木目模様をプリントしたシートを貼り合わせたフローリング
今回はZENでもよく使用している無垢フローリングについてご紹介したいと思います。
無垢フローリングの特徴

無垢フローリングの特徴としては、
■自然の美しさ
無垢フローリングは自然の素材から1枚1枚加工するため同じものはありません。それぞれのフローリングが唯一無二の存在であり、自然の木目や節を持っているため独自の風合いを楽しむことができます。これは他の素材にはない無垢フローリングの良さです。
■木の肌触り
無垢フローリングの上を素足で歩いたり直接座ったりしたとき、自然な温もりや心地よい肌触りを感じたことはないでしょうか。これは木材の性質が関係しています。
・熱伝導率の低さ
木は熱伝導率の低い素材です。木には導管という小さな無数の空洞を持っており、それが空気を多く含む構造となっていて、断熱材のような効果をしてくれます。その効果により温かみを感じさせてくれるのです。
・調湿効果
断熱材のような効果をしてくれる小さな無数の空洞が調湿もしてくれます。
肌が触れたとき、木が適度に湿気を吸収してくれるので、さらっとした心地よさを感じさせてくれるのです。
■経年変化
長く使用していると紫外線による日焼けや酸化により変化が起こります。一般的な工業製品であればただの劣化となりますが、木の場合は色合いが深まり艶やかさが増していきます。大切に扱うことでさらに美しさは増し、愛着も湧いてくるのではないでしょうか。

木の種類
フローリングには数多くの種類の木が使われます。素材それぞれに独自の特徴があり美しさがあります。その中でZENで最近よく使用している素材3種類をご紹介したいと思います。
・楢(ナラ) 英語名ではオーク
ブナ科コラナ属の落葉性広葉樹。
ウィスキー樽の材料や、船舶・家具の材料として使用されており、材質は硬く頑丈で傷がつきにくく耐水性・耐久性が高い素材です。
ナラの木目の特徴で柾目には「虎斑(とらふ)」と呼ばれる美しい模様があります。
・樺(カバ)
カバノキ科カバノキ属の落葉性広葉樹。
硬すぎず柔らかすぎない程よい硬さがあり、ダンスフロアや体育館の床材としてよく使用されています。明るく淡い色彩で色むらは少なく優しい細やかな木目が特長です。
・杉(スギ)
ヒノキ科スギ属の常緑針葉樹。
杉は日本固有のもので、古くから神社仏閣や住居などの材料として使用されてきました。
木目は直線的で美しく緻密で均一。天然の油を多く含んでおり杉特有の心地よい芳しい香りを放ちます。
杉は高い調湿効果と断熱効果を持っているので、肌に触れたときにさらっとした肌触りや温かみを、より感じることができます。柔らかいので傷がつきやすいという点には注意が必要です。
まとめ
工業製品にはない自然素材の良さを、直接触れながら感じる事の出来る無垢フローリング。多少のメンテナンスは必要ですが、家族で過ごした時間とともに色合いが深まり艶やかさが増す無垢フローリングを、大切な家づくりの中で検討されてみてはいかがでしょうか。
